このコラムの読み手は、以下の方々を主な対象にしています。
- 初めて部下ができた人
- 部下の指導方針を考えている人
- OJTトレーナーとの面談をする人事担当者・上司
初めて部下ができたら、部下にはどのような社会人になって欲しいですか?
そして、そのために何を伝えていきたいですか?
多くの企業では、自分から手を挙げて部下をつけてもらうというより、人事や上司からの指示で部下がつくことが多いのではないでしょうか?
突然、上司になったあなたは、何から教えればよいのか、どのようなコミュニケーションをとればよいのか、少し戸惑うこともあるかもしれません。
まずは、部下にどのような社会人になって欲しいのか?をあなたなりに考え、部下本人とすり合わせることが大事です。
ただ、部下がまだ新入社員や若手社員のうちは、本人の希望が漠然としていたり、そもそもどのようなキャリアパスがあるのか知らなかったりと、スムーズなすり合わせが出来ないこともあります。
そこで、やはり大事なことは、上司であるあなたが、部下にどのような社会人になってほしいのか?を考えてあげることです。
これは、部下のキャリアを一方的に決めるという訳ではありません。
様々な職種や業種で共通して求められるような基礎的なスキルや考え方、マインドのイメージを持っておくということです。
そこで、本シリーズ<部下ができたら伝えたいこと>では、様々な職種や業種において共通して求められるような基本的な考え方やマインドをご紹介していきます。
あなたが「コレは部下に伝えたい」と思うことがあれば、ぜひ、取り入れてみてください。
<部下に伝えたいこと:目的を意識する>
仕事というのは、常に目的が存在します。
経験が乏しく、まだまだ視野が狭い新入社員や若手社員の立場からすると、仕事というのは、上司や先輩から“言われたから、やる”という姿勢になりがちです。
そして、仕事の目的も“言われたから、やる”になっている新入社員や若手社員も多くいます。
しかし、“言われたから、やる”ことが目的の仕事はありません。
どんな小さな仕事にも目的があります。
例えば、営業資料の印刷という仕事の目的は何がありますか?
上司がお客様に商品を購入してもらうため(目的)に、資料の印刷が必要になるのです。
では、資料作成という仕事の目的は何がありますか?
お客様が商品を理解し、その商品が使えそう!導入したい!と思ってもらい、購入してもらう(目的)ために、資料作成が必要になるのです。
そして、これらの仕事は、チームや部署、会社の利益に繋がっているのです。
この目的意識を持つことで、仕事への取り組み方、考え方が変わってくると思いませんか?
- 上司が説明しやすいように、ホチキス止めにして印刷しよう。このページはカラーにしよう。
- お客様が商品を導入したい!と思ってもらえるように、お客様の業務を例に、使用イメージを資料に落とし込もう。など。
このように目的意識を持つことで、仕事の品質はぐっと上がるのです。
また、どのような職種や業種においても、持つべき意識でもあります。
ぜひ、部下に仕事を与える時には、どのような目的があるのか?を考えさせ、意識させるようにしてみてはいかがでしょうか?
作業指示をする際は、「この仕事をお願いします」だけで終わらせるのではなく、「この仕事の目的は何だと思う?」と一言問いかけ、一緒に考えてみると良いでしょう。
この問いかけは、たった5分あれば済むのです。
部下には「目的意識をもった社会人になってほしい」と共感できたら、ぜひ、伝えてみてください。
少しでもあなたの部下指導に活かせる情報を提供できていれば嬉しいです。
このシリーズはまだまだ続きます。あわせて、ご一読ください。