OJT部下育成

部下ができたら伝えたいことvol.5.予習をする

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このコラムの読み手は、以下の方々を主な対象にしています。

  • 初めて部下ができた人
  • 部下の指導方針を考えている人
  • OJTトレーナーとの面談をする人事担当者・上司

初めて部下ができたら、部下にはどのような社会人になって欲しいですか?

そして、そのために何を伝えていきたいですか?

多くの企業では、自分から手を挙げて部下をつけてもらうというより、人事や上司からの指示で部下がつくことが多いのではないでしょうか?

突然、上司になったあなたは、何から教えればよいのか、どのようなコミュニケーションをとればよいのか、少し戸惑うこともあるかもしれません。

まずは、部下にどのような社会人になって欲しいのか?をあなたなりに考え、部下本人とすり合わせることが大事です。

ただ、部下がまだ新入社員や若手社員のうちは、本人の希望が漠然としていたり、そもそもどのようなキャリアパスがあるのか知らなかったりと、スムーズなすり合わせが出来ないこともあります。

そこで、やはり大事なことは、上司であるあなたが、部下にどのような社会人になってほしいのか?を考えてあげることです。

これは、部下のキャリアを一方的に決めるという訳ではありません。

様々な職種や業種で共通して求められるような基礎的なスキルや考え方、マインドのイメージを持っておくということです。

そこで、本シリーズ<部下ができたら伝えたいこと>では、様々な職種や業種において共通して求められるような基本的な考え方やマインドをご紹介していきます。

あなたが「コレは部下に伝えたい」と思うことがあれば、ぜひ、取り入れてみてください。

<部下に伝えたいこと:常に準備をする>

学生時代は、テストという本番があって、その度にテスト勉強をしてから本番に臨んでいましたよね?

部活動でも、試合という本番のために、日々練習をしていましたよね?

では、仕事ではどうでしょう?

日々、練習したり、予習したりしていますか?

  • ビジネス書を読んでいる
  • 資格取得のための勉強をしている

そう答える人もいるかもしれません。

仕事の本番とは何でしょう?
本番で成果を出すということは、どういうことでしょうか?

  • 上司から与えられた仕事で、期待通り、もしくはそれ以上の成果を出す
  • 出席した会議で、自分が望む合意事項に持って行く
  • お客様との商談で、内示をいただく

仕事の本番とは、取り組む仕事そのものです。仕事すべてです。
そして、本番で成果を出すということは、日々取り組む仕事において、自分が期待する状態に持って行くことでもあります。

これらの本番で成果を出すために、準備をしてから臨む人は意外と多くはありません。

本番がいつかが分かりやすい学生とは違って、社会人は毎日が本番だという意識が持ちづらいのかもしれません。

では、日々の仕事(本番)で成果を出すと何が良いのでしょうか?

上司から与えられた仕事を期待通り、もしくはそれ以上の成果でこなすことが出来れば、あなたへの信頼は高まるでしょう。

出席した会議で、あなたの発言通りに合意できれば、他の参加者からのあなたを見る目は変わるでしょう。

お客様との商談で内示をいただければ、あなたの営業成績は上がるでしょう。

たった一度の成功ではなく、こうした一つひとつの成功の積み重ねが、あなたの良い評判を形作り、さらに良い仕事が与えられる機会に恵まれていきます。

つまりは、良いサイクルに乗ることができるのです。

良いサイクルに乗るためには、本番の準備をしてから臨むことです。

どのような手順で、どのような人に協力を得られれば、良い成果に繋がるのか、事前に考えてから手を動かすのです。

自分が望む合意事項に持って行くためには、どのような情報が必要なのか、事前に考え、情報を集めるのです。

お客様に「買いたい」と言ってもらうためには、どのような情報や資料が必要なのか、事前に考え、資料を作っておくのです。

これが準備です。

しかし、これは仕事において当たり前の基本動作と言って良いでしょう。

この基本動作を怠ろうと思えば、簡単です。むしろ、基本動作を愚直に遂行していくことは、簡単ではありません。

しかし、この良いサイクルに乗ることが如何に重要かは、数年間、社会人をしていればお分かりでしょう。

上司として部下に接する時は、作業指示をする際に、準備の時間を設けるように伝えれば良いのです。

そして、振り返る時に、どのような準備を行ったかを聞き、改善していけばよいのです。毎日たった5分でも10分でも一緒に振り返るだけで、準備の重要性を理解し、習慣化に繋がるでしょう。

部下には「本番に向けた準備ができる社会人になってほしい」と共感できたら、ぜひ、取り入れてみてください。

少しでもあなたの部下指導に活かせる情報を提供できていれば嬉しいです。