副業を認める企業は年々増加傾向にあります。
企業は社員に副業を認める上で、社員が自分の仕事への責任がある、つまり、自律型人材だからという大前提がありますが、その大前提をおさえた上で、副業を認める理由は企業によって様々です。
例えば、幅広いスキルを身に付けて欲しい、一つのスキルを伸ばしてほしいといった、「社員個々人のスキル延伸」を理由に副業を認める企業もあります。また、挑戦をしたい、自分の力を試したいといった、優秀な社員が外に出て行かないための「優秀な社員をつなぎ留める」ために、副業を認める企業も少なくありません。
しかし、社員のスキルが伸び、優秀な社員をつなぎ留めることに成功しても、新たな問題が出てきてしまい、その対応に困っている企業、現場の管理職が増えつつあるのも現状です。
1:どのようにマネジメントすれば良いのか分からない問題
部下が副業をしていても、本業を疎かにせずにしっかりとやるべきことをやっていれば良いのですが、副業をしていることで、疲れが蓄積し集中力が下がりミスを連発してしまったり、就業時間に隠れて副業をしていたり、などの問題が発生してしまうことがあります。
残念ながら、如何に自分の仕事に責任を持っている部下でも、そういった事態は少なからず起きてしまいます。
そうした場合、マネジメントする側の上司が副業や兼業の経験がなければ、どのようにバランスを取るべきかというアドバイスが出来なかったり、会社として認めている副業を頭ごなしに「副業をやめるように/減らすように」とは言えなかったりするため、どのように扱うべきなのかを戸惑ってしまう場面が多々発生してしまいます。
2:副業する派と副業しない派の争い問題
副業しない人から、副業している人を見ると、「自分はこれまで本業一本でやってきたのに、本業に集中せずに他の仕事もするなんて」といった否定的な目で見る人が少なからずいます。先進的な取り組みをしている企業でさえも、一定数こうした人達が出てしまうのを何度も見聞きしてきたので、非常に残念なことだと思います。
中には、「自分は我慢しているのに、あいつは好きなことをやってズルイ」や「副業する時間があれば、本業の仕事をもっとやれ」、「自分は収入源が一つなのに、副業組は収入源が増えて不公平だ」など、もはや、妬み、やっかみに近い感情を持っている人もいます。
一方で、副業をしている人からすれば、「じゃあ、あなたも好きなことをやればいいでしょ」、「副業をやる勇気やスキル、人脈がないのを人のせいにしないでほしい」などの意見が飛び出してきます。
こうした様々な感情を持つ部下たちをまとめ、チームとして成果を出していかなければならないので、現場の管理職は非常に負荷がかかります。
3:自社だけに縛れない問題
副業が軌道に乗ると、収入が給与と同水準やそれ以上になることもあります。
また、お客様も“会社”ではなく、“自分”を頼りにしてくれるので、これまで味わったことのないやりがいを感じたり、自信が高まったりします。
これ自体は非常に良いことなのですが、新たなことに挑戦しようという意欲の高い人にとっては、副業を本業にしたいと考える人がいるでしょう。
そうなると、優秀な人をつなぎ留めるために副業を認めたことが裏目に出てしまうことになります。
副業時代に求められるマネジメントとは
これらの様々な問題を解決するためには、「本業に、明確な意義を感じられる仕組みづくりや、成長に繋がる手ごたえを得てもらう仕組みづくり」をすることが求められます。
そのための方法について、数回に分けて記事を連載していきますので、ぜひ、引き続き、ご覧ください。
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