このコラムの読み手は、以下の方々を主な対象にしています。
- 上司や先輩から文章の書き方を指摘されることの多い人
- 文章を書くのが苦手な人
- OJTトレーナーとなり、部下の文章をレビューすることになった人
仕事において、「自分には文章を書く才能がないから」というのは言い訳になりませんよね。
ビジネスにおける文章は、相手に誤解なく、わかりやすく伝えることが大切です。
読み手によって、様々な解釈ができる文章では、仕事関係者内での認識齟齬が発生し、各々が違う方向を向いて仕事をしてしまいかねないからです。
ですから、ビジネスにおける文章は、『相手に誤解なく、わかりやすく伝える』書き方をしなければなりません。
このコラムでは「読点」についてお伝えしていきます。
読点とは「、」です。
一文の終わりに打つ句点は使い方が分かりやすい一方で、読点を打つ位置には様々なルールがあります。
ルールを知らずに読点を打ってしまうと、違った意味になってしまう場合があります。
相手に誤解を与える文章とならないように、読点のルールをおさえておきましょう。
ルール1:長い主語の後
例文:革新的で幅広い視点の意見の提示が、求められている。
「革新的で幅広い視点の意見の提示が」といった長い主語の後に、読点を打ちます。
ルール2:並列関係
例文:チューリップは可愛らしく、バラは美しく、たんぽぽは力強い。
同じ対等な関係の物事を並列させる場合に、読点を打ちます。
ルール3:原因と結果の間
例文:遅くまで起きていたので、寝坊した。
Aなので、B。Aのため、B。Aにより、B。といった原因と結果の間で、読点を打ちます。
ルール4:逆説関係の間
例文:彼はスポーツ万能だが、勉強は苦手だ。
Aだが、B。といった逆説の関係を一文にまとめる場合には、その間に読点を打ちます。
ルール5:空間を表わす場合
例文:ショッピングモールの家具屋には、ビンテージ家具が多く取り揃えられている。
場所や空間を表わす場合には、読点を打ちます。
ルール6:誤読を避けたい場合
例文1:彼は楽しそうに、踊る彼女をみていた。(楽しそうなのは彼)
例文2:彼は、楽しそうに踊る彼女をみていた。(楽しそうなのは彼女)
読点を打つ場所によって意味が異なりますので、正しい位置に読点を打ちます。
このように、読点にはルールがあります。
ぜひ、ご自身がビジネス文章を書く際や、部下の文章をレビューする際の参考にしてみてください。
チェック観点:
読点にはルールがある。
- 長い主語の後
- 並列関係
- 原因と結果の間
- 逆説関係の間
- 空間を表わす場合
- 誤読を避けたい場合