このコラムの読み手は、以下の方々を主な対象にしています。
- 上司や先輩から文章の書き方を指摘されることの多い人
- 文章を書くのが苦手な人
- OJTトレーナーとなり、部下の文章をレビューすることになった人
仕事において、「自分には文章を書く才能がないから」というのは言い訳になりませんよね。
ビジネスにおける文章は、相手に誤解なく、わかりやすく伝えることが大切です。
読み手によって、様々な解釈ができる文章では、仕事関係者内での認識齟齬が発生し、各々が違う方向を向いて仕事をしてしまいかねないからです。
ですから、ビジネスにおける文章は、『相手に誤解なく、わかりやすく伝える』書き方をしなければなりません。
そのために、最も大切なことは、主語と述語の関係であると、前回のコラムでお伝えしました。
このコラムでは「主語の省略」についてです。
おさらいになりますが、主語とは、「何が/誰が(何は/誰は)」の部分です。
日本語は、主語を省略することがあります。
例えば、このような文があります。
例文1:
私は会社員です。営業担当をしています。
二文目の「営業担当をしています」の主語は省略されていますが、読み手は主語が「私は」であるとわかるでしょう。
日本語にはこうした暗黙の了解として、主語が省略されていることがあります。
では、次の例文を見てみましょう。
例文2:
私は新商品であるプリンターZの販売担当をしている。スピーディーな仕上がりに上々の評判を得ている。
例文1との違いは、二つ目の文の主語が「私は」ではないことです。
「プリンターZは」が主語であり、省略されています。
一文目と二文目の主語が異なるのです。
この文章は、読み手に、主語が「私は」では意味が通らないので、「プリンターZ」であると読解させてしまっています。
こうした読み手に読解させるような文章は、ビジネス文章としては適切ではありません。
なぜなら、ビジネス文章は、『相手に誤解なく、わかりやすく伝える』必要があるからです。
そのため、ビジネス文章を書く際は、主語が異なる文を続ける場合は、主語は省略しないことが大切です。
ぜひ、ご自身がビジネス文章を書く際や、部下の文章をレビューする際の参考にしてみてください。
チェック観点:
- 同じ主語の文が続く際は、主語を省略しても良い
- 主語が異なる文を続ける場合は、主語は省略しない