このコラムの読み手は、以下の方々を主な対象にしています。
- 上司や先輩から文章の書き方を指摘されることの多い人
- 文章を書くのが苦手な人
- OJTトレーナーとなり、部下の文章をレビューすることになった人
仕事において、「自分には文章を書く才能がないから」というのは言い訳になりませんよね。
ビジネスにおける文章は、相手に誤解なく、わかりやすく伝えることが大切です。
読み手によって、様々な解釈ができる文章では、仕事関係者内での認識齟齬が発生し、各々が違う方向を向いて仕事をしてしまいかねないからです。
ですから、ビジネスにおける文章は、『相手に誤解なく、わかりやすく伝える』書き方をしなければなりません。
そのために、最も大切なことは、主語と述語の関係です。
主語とは、「何が/誰が(何は/誰は)」の部分です。
述語とは、「どうする/どんなだ/何である」の部分です。
小学校の国語の授業でも習うことですね。
文章においては、この主語と述語の関係を対応して書く必要があります。
当たり前のことのように思うかもしれませんが、意外とこの関係が対応していないことがあるのです。
こうした文は、相手に誤解を与え、分かりづらい文と言えます。
例えば、
- 1:私は、映画を観に行ったが、つまらない映画だった。
- 2:私は、映画を観に行ったが、つまらない映画だと思った。
例1も例2も、一見言いたいことがなんとなくわかりますが、主語と述語の関係に注目してみるとどうでしょうか。
- 1:私は、映画を観に行ったが、つまらない映画だった。
主語は「私は」、述語は「つまらない映画だった」となります。
「私は」「つまらない映画だった」ということになってしまい、文としておかしなことになります。
- 2:私は、映画を観に行ったが、つまらない映画だと思った。
主語は「私は」、述語は「つまらない映画だと思った」となります。
「私は」「つまらない映画だと思った」となり、文として正しく意味が伝わります。
では、例1を正しく意味の伝わる文に直すとしたら、どうなるでしょうか?
例2のように、述語に「だと思った」と付け加えることで、主語と対応させる方法があります。
また、「観に行った。」で一度文を切り、「その映画は」と新たに主語を加えると、述語である「つまらない映画だった」に対応します。
このように、主語と述語の関係を対応して書くことは、ビジネス文章において守らなければならない基本的なルールです。
ぜひ、ご自身がビジネス文章を書く際や、部下の文章をレビューする際の参考にしてみてください。
チェック観点:
- 主語と述語の関係が一致しているか
- 主語と述語の関係が一致していない場合は、述語の変更をするか、文を一度切り、新たに主語を加える