OJT部下育成

<連載>OJT部下の育て方~Vol.2.作業指示を極めて新人に成果を出させる

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新人から「作業ができましたので、ご確認ください」と言われて確認したら、
『うわぁ~、イメージと違う』
『全然ダメ。すごい直しに時間がかかるなぁ~』
『直しを依頼して、もう一度見るのはダルいから巻き取ろうかな』

と思った経験はありませんか?

ほとんどの仕事が初めての新人にとって、新人の作る成果物の品質が低くなってしまうのは、当たり前のことでしょう。
しかし、だからと言って、この状態を許していたら、上司としては、レビューや修正の時間がかかり、育成負荷が高くなります。また、出来ないことばかりの新人は自信を失い、メンタル不調に陥りかねません。
上司としても、こうした事態は避けたいでしょう。

そこで、今回ご紹介したいのは、『作業指示の仕方』です。
皆さんは、普段どのように作業指示をしていますか?

「もう少し情報を与えないと分からないだろうな」や「やり方を一度見せないとうまくいかないかも」と思いながらも、忙しさに負けて、すこし“投げやりな作業指示”になっていませんか?
また、自分で考えられる人材になってほしいと思い、「自分で調べながら/考えながら、やってみて」と、一見コーチングのように見えますが、“丸投げ”と言っていい作業指示になっていませんか?
一方で、「自分は、“投げやり”でも“丸投げ”でもなく、ちゃんと作業指示をしていると思うんだけど、新人の成果物はいつも低いんだよな」と感じている人はいませんか?

少しでも当てはまると感じる上司の方に、ぜひ試してみてほしい作業指示の仕方があります。
この作業指示の仕方をすることで、レビュー時間は減り、新人の仕事を巻き取ることも減り、新人も自信をつけることができる、一石三鳥の作業指示の仕方です。

作業指示をする時のポイントは1つだけです。

『5W3Hで依頼したい作業を伝える』というものです。

5W3Hでの作業指示

5W3Hとは以下のことを指します。

例えば、「定例会議の議事録を取る」という作業を依頼する場合

  • Why:会議の参加者と不参加者が読み、各自のアクションに繋げることのできる情報を正しく分かりやすく残すこと。
  • What:議事録を作成する。過去の議事録を見せ、議事録の書き方やまとめ方のイメージを具体的に持たせる。
  • Who:会議の参加者や読み手などの本議事録の関係者。議事録の関係者を踏まえ、議事録に記載すべき事項が特別にあれば伝える。
  • When:参加してほしい会議の日時。議事録の展開日。レビュータイミングも合わせて伝える。
  • Where:会議場所。会議で使われる資料や過去の議事録の格納先を伝え、事前に確認するよう伝える。
  • How to:会議に参加する前に、会議資料を読み込み不明点や不明用語を調べてから会議に臨むこと。また、過去の議事録を確認し、書き方、メモの取り方のイメージを持ってから望むこと。議事録のレビューは〇日〇時にするので、それまでに作成してほしい。

このように作業指示を5W3Hで分解して伝えることで、作業に必要な情報を抜けもれなく、且、伝えるべき情報の質と量を担保して伝えることができます。

少し手間のように感じるかもしれませんが、作業指示をしっかりすることで、新人の成果物の品質が一定以上を担保できすので、修正時間やレビュー時間が減り、全体を通して、かなりの時間と負担を削減することができるはずです。

また、新人にとっても、品質が一定以上の成果物を出せるので、“できない”ことへの不安や落ち込む機会を減らすことができるでしょう。

ぜひ、作業指示をする際は、5W3Hでするようにしましょう。

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