研修内製化のススメ

研修効果測定のやり方・方法【3ステップで完了】

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研修効果測定の方法

本記事は、人事・研修担当者向けです。

「その研修、効果あるの?」

この質問、人事・研修担当者なら、一度は聞かれたことがあるかもしれません。

新たな研修を企画する際、来年度の予算取りをする際、研修の完了報告をする際など、多くの場面で何かと聞かれる質問です。

この「その研修、効果あるの?」への対応策として、効果測定のやり方を3つのステップに分けて丁寧に解説しています。

効果測定で「研修の効果」を証明しよう

正直、研修が企業の業績にどのような変化をもたらしたのかを証明するのは難しいです。

しかし、この研修を受講したことで、現場での意識・行動変容に繋がることを証明することで、「研修の効果がある」を証明できます。

そのためには、「研修効果測定」をする必要があります。

「研修効果測定」のステップは以下の3つです。

1:アンケート取得タイミングは複数回設ける
2:アンケート項目は「理解度」×「活用度」×「活用事例」にする
3:アンケートを集計し、横展開する

1:アンケート取得タイミングは複数回設ける

皆さんの企業では、研修を実施する際にアンケートを取っていますか?

おそらく、ほとんどの企業でアンケートを取っていると思います。
(もし、アンケートを取っていない企業があれば、必ずアンケートを取りましょう。)

では、アンケートは、どのタイミングで取っていますか?

おそらく、「研修終了後に1度だけ」というタイミングの企業が多いのではないでしょうか。研修の効果測定をするなら、アンケートのタイミングは以下の通りです。

  • 研修受講直前(★)
  • 研修受講直後(★)
  • 研修受講1ヵ月後
  • 研修受講3カ月後(★)
  • 研修受講6カ月後(★)
  • 研修受講9カ月後
  • 研修受講11カ月後

研修実施タイミングと研修報告タイミングによって、回数は変動しますが、年度初めに実施した研修なら最低でも★マークの記載があるタイミングは必須だと考えてください。

研修受講直前にもアンケートを取るの?

このように思われた方もいらっしゃるかと思いますが、「研修受講直前」は必須です。

なぜなら、研修の効果を示すためには、BeforeとAfterの差分を示す必要があるため、「研修受講直前」と「研修受講後」がないと差分を示すことが出来ないからです。

では、研修受講後として「研修受講直後」、「研修受講3ヵ月後」、「研修受講6カ月後」など、複数回もアンケートを取る理由ですが、「研修効果を出来るだけ高めるため」です。

これは、アンケート項目の内容にも深く関わってくるので、次のステップで解説していきます。

2:アンケート項目は「理解度」×「活用度」×「活用事例」にする

皆さんの企業では、以下のような研修アンケートを取っていませんか?

  • 研修内容を理解できましたか?
  • 講師の説明は分かりやすかったですか?
  • テキストは分かりやすかったですか?
  • 演習は有益でしたか?
  • 環境は適切でしたか?
  • その他自由記述欄

多くの企業で、このような項目のアンケートを良く見かけますが、この項目でわかることは何でしょうか?

例えば、「研修内容を理解できましたか?」は、研修を受けた瞬間の理解度は判断できますが、研修は現場での実践に繋がっているか、その後の業務への成果に繋がっているかが重要なのに、その点は、不明なままです。

また、「講師の説明は分かりやすかったですか?」は講師の説明のうまさが分かり、悪ければ、来年は違う講師にしようという判断に繋がりますが、その研修自体の効果は分かりません。

多くの研修でこのような項目でアンケートを取得していると思いますが、実は、その研修を実施して、本当に意味があるのか?現場で効果があるのか?を証明するには、アンケートとしては弱いのです。

では、どのようなアンケート項目にすれば良いのか?

それは、この章のタイトルの通り、「理解度」と「活用度」の定量評価の取得と、「現場での活用事例」の定性評価を取得する設計にすることです。
注意点としては、抽象的ではなく、具体的に書くことです。

例えば、ロジカルシンキング研修を実施した場合

  • 本研修の内容を理解できましたか?3段階評価で答えてください
  • 本研修は現場で活用できそうですか?3段階評価で答えてください

この質問は、ダメな例です。非常に抽象的になってしまっています。
例えば、理解度を聞く質問では、以下のようになります。

  • MECEとは、「漏れなく、ダブりなくの状態」であることを理解したか?

ポイントは、学習内容を細分化し、1つの質問には1つの内容に絞って記載することです。「理解している」「だいたい理解している」「理解できていない」などの3段階で聞くと良いでしょう。

また、活用度を聞く質問では、以下のようになります。

  • 仕事でトラブルが発生した際に、漏れなくダブりなくのMECEで原因を洗い出しているか?

ポイントは、業務内容に落とし込んだ質問設計にすることです。こちらも、「毎回行っている」「だいたい行っている」「行っていない」などの3段階で聞くと良いでしょう。

そして、「現場での活用シーン」は、自由記述で良いしょう。

「理解度」と「活用度」は学習内容に合わせて質問設計する必要があるので、なかなか骨が折れる作業になるかと思いますが、人事担当者としての腕の見せところとなりますので、頑張って考えてみてください。

このアンケート項目は、「研修受講直前」と「研修受講後」全て共通して使います。そうすることで、前述のように、BeforeとAfterの情報を取得することができるからです。

「研修受講直前」の時点で、多くの受講者が「理解度」も「活用度」も高く、様々なシーンで活用していたら、その研修の企画は、現場とアンマッチしていることになりますが、おそらく、そういった状況にはならないでしょう。

多くの企業では、「研修受講直前」から「研修受講直後」、「研修1カ月後」と機会が増えるにつれ、「理解度」と「活用度」は高まっていくはずです。

では、アンケートの取得タイミングと研修項目を設計したら、どうするのか?について、次のステップで解説していきます。

3:アンケートを集計し、展開する

ずばり、アンケートを取得したら、毎回すぐに集計し、受講者全員に展開することです。

展開する内容は、「理解度・活用度の各アンケート項目の推移」と「活用シーン事例」です。

同じ研修を受講者した仲間の研修受講直前から今日までの「理解状況」や「活用状況」、「活用シーン」を知ることで、自身も現場で実践しようという意識を高める効果が期待できるからです。

また、なかなか現場での実践に結びついていない受講者にとっては、他の受講者の活用シーンを知ることで、研修内容の現場での実践をイメージすることができ、多くの受講者が研修内容を現場で実践することができるようになります。

この積み重ねが、研修効果を高めることに繋がり、結果として、「効果のある研修」にすることができるのです。

展開方法は、メールや自社ポータルなどで良いでしょうが、目にしやすいメールがおすすめです。

アンケート集計の回数が多ければ多いほど、集計の手間は増えますが、その分、研修効果を高めることに繋がりますので、根気よく続けましょう。

まとめ

最後に「この研修、効果あるの?」への質問への返しですが、

「研修受講直前」のBeforeから、「研修受講後」のAfterの推移と、「現場での活用事例」をまとめることで、研修の効果を示すことができるようになります。

ぜひ、研修の効果測定を行うことで、「研修効果の証明」だけではなく、「受講者の学びの効果」も高めていきましょう!

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